心臓には、血液の流れを一方向に保つための「弁(べん)」と呼ばれる扉のような構造が4つあります。これらの弁がうまく開閉しなくなる病気を「心臓弁膜症」といいます。
弁がうまく開かず血液が流れにくくなる(狭窄症)、あるいはきちんと閉じずに血液が逆流する(閉鎖不全症)ことによって、心臓に負担がかかり、やがて心不全などの重い状態に進行する可能性があります。
主な症状には、
などがありますが、初期にはほとんど自覚症状がないことも多く、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
心雑音や心電図異常、胸部レントゲンなどから疑われることがあり、心エコー(超音波)検査が診断の中心となります。
早期に見つけて経過を観察し、必要に応じて薬物治療やカテーテル治療、外科的手術を行うことで、進行を防ぎ、生活の質を保つことが可能です。
当クリニックでは、循環器専門医による丁寧な診察と心エコー検査を行い、早期発見と適切な管理を心がけています。気になる症状がある方や、検診で異常を指摘された方は、どうぞお気軽にご相談ください。
心臓は「冠動脈(かんどうみゃく)」という血管から酸素と栄養を受け取って動いています。
この冠動脈が動脈硬化などによって狭くなったり、詰まったりすることで起こる病気が、狭心症と心筋梗塞です。
冠動脈が動脈硬化などによって狭くなり、心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなる状態です。
主な症状は、
多くは階段を上がった時や運動時、寒い場所に出た時などに起こり、数分で自然におさまるのが特徴です。放置していると心筋梗塞に進行するリスクがあり早期の診断、治療が必要となります。当クリニックではまず心電図検査や心臓超音波検査を行い、必要と判断すれば冠動脈CTや心臓カテーテル検査を基幹病院に依頼します。
冠動脈が突然完全に詰まり、心臓の筋肉が壊死してしまう状態です。
症状は狭心症と似ていますが、
など、命に関わる緊急の状態です。すぐに救急車を呼ぶ必要があり緊急的にカテーテル治療などで詰まった血管を再開通させる必要があります。当クリニックでは心筋梗塞と診断した場合、直ちに基幹病院へ搬送する体制を整えております。
これらの病気の多くは、
といった生活習慣病や不健康な生活スタイルが原因で起こります。
当クリニックでは、心臓病の専門的な視点から、狭心症・心筋梗塞の予防、早期診断、再発防止に取り組んでいます。胸の痛みや違和感を感じた場合は、我慢せず、できるだけ早くご相談ください。
不整脈とは、心臓の拍動が速くなったり遅くなったり、あるいは不規則になったりする状態のことを指します。
本来、心臓は一定のリズムで拍動していますが、このリズムが乱れると、十分な血液が全身に送られなくなり、動悸・息切れ・めまい・失神などの症状が出ることがあります。
不整脈にはさまざまな種類がありますが、その中でも特に患者数が多く、注意が必要なのが『心房細動(しんぼうさいどう)』です。
心房細動は、心臓の上の部屋(心房)が正常なリズムを失い、細かく震えるように不規則に動く状態です。
このため心臓全体の拍動も不規則になり、血液を効率よく送り出せなくなります。
心房細動の主な症状:
心房細動の怖さは「脳梗塞」
心房細動が起こると、心房の中で血液がよどみ、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。
この血栓が血流に乗って脳に流れると、脳の血管を詰まらせて「脳梗塞」を引き起こすことがあります。
実際、心房細動のある方は、脳梗塞を起こすリスクが約5倍に高まるとされています。しかも、心房細動による脳梗塞は重症化しやすく、命に関わったり、後遺症が残る可能性も高いため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。
心房細動の治療には、以下のような方法があります。
心房細動は高齢化や生活習慣の変化とともに増加しており、年齢を重ねるほど発症しやすくなります。特に高血圧や糖尿病、心臓病のある方は注意が必要です。
当クリニックでは、心房細動をはじめとする不整脈の診断・管理に力を入れています。心電図検査やホルター心電図、心エコー検査などを通じて、早期の発見と予防的な治療を行います。 また、必要に応じてカテーテルアブレーションを基幹病院に依頼します。
「動悸が気になる」「脈が不規則と言われた」「検診で異常を指摘された」
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。